なぜ「婚活バラエティ」を見ると胸くそが悪くなるのか―その構造と心理学

婚活バラエティやドキュメンタリーを観て「胸くそが悪くなる」「いじめられているような気持ち悪さがある」と感じるなら、それはあなたの感受性が正常に機能している証拠です。多くの婚活系コンテンツは、①弱者を晒し笑いものにする構造、②自尊心を削ってから服従させる心理誘導、③集団心理による脱個人化、④学習性無力感の刷り込み、という4つのメカニズムで作られています。本記事では、その構造を心理学的に検証し、なぜ「見なくていい」のかを解説します。
ドキュメンタリー好きが、婚活系だけは観られない理由
「オジアタックってどうよ…」
自分をわかっているのか、もう50歳だぜ、それで20代に申込みするなよ…
私は、ドキュメンタリーが好きだ。
ディスカバリーチャンネルやナショナルジオグラフィックは、有料で観るほどに。
けれど、日本の婚活系YouTubeやドキュメンタリーだけは、心底受け付けない。観たくもない。
「吐きそうになる……」、「いらだちが抑えられない」、「泣きそうになる」
メンタルが崩壊しそうになる。
仕事柄、観たほうがいいと思うが、メンタル保持のため今は観ていない。
何でここまで、「嫌悪感が出るのか?」
理由がわからず、自分なりに調べてみた。仕事柄、我慢して観ていた時期もあったが、腹立たしさに耐えられなくなり、ある時から一切観るのをやめた。
なぜあそこまで拒絶反応が出るのか。答えは、コンテンツの「構造」そのものにあった。
構造そのものが「弱者いじめ」になっている
多くの婚活バラエティに共通する型がある。
頑張って婚活している人を、ネタにして笑いものにする。有名な「先生」と呼ばれる人物が、相談者を「だからあなたは…」と追及する。追いつめる……
これは、決して新しい手法ではない。細木数子の占いがブームになったころから、昔から変わらない、権威者が相手を追い詰めてから答えを与えるという型だ。大衆は、なぜかこの構図に惹きつけられる。それは、最初に自尊心を削り、服従させるという心の動きを、無意識に感じ取っているからかもしれない。
さらに、YOUTUBEでは、みんなでワイワイと婚活者を小馬鹿にする会話が展開される。これはもう、集団いじめに近い構造だ。それを観て、視聴者はみんなで笑う。
筋書きはいつも同じだ。
バカにされる → こんな自分がダメだ→結婚相談所に入る →うまく行かない→ ぼろぼろに言われる → 婚活をあきらめる
この繰り返しが、延々と再生産されている。
なぜ人はこれを「面白い」と感じてしまうのか―心理学的検証
構造がわかると、次に浮かぶ疑問は「なぜこれが娯楽として成立するのか」だ。心理学的に見ると、いくつかのメカニズムが重なっている。
①シャーデンフロイデ(他人の不幸は蜜の味)
人は「自分より下」の存在を確認すると安心する心理を持っている。婚活で苦労する人を晒すことで、視聴者は相対的な優越感を得てしまう。
②ネガティブ・フィードバックによる服従誘導
先に自尊心を削り、それから助言を与える。これは支配と被支配の関係を作る典型的な心理誘導だ。人は否定された直後に与えられる「優しさ」に、かえって弱くなる。
③集団心理による脱個人化
一人では言えない残酷な言葉も、集団の中でなら言えてしまう。個人の罪悪感が薄まり、いじめが娯楽として消費される。
④学習性無力感の刷り込み
バカにされ、追い詰められ、諦める筋書きを繰り返し見せられることで、視聴者の中にも「婚活とは惨めなものだ」という無力感が刷り込まれていく。
これらが積み重なった結果として生まれるのが、あの独特な「胸くそ悪さ」だ。感受性が乱れているのではなく、心が「これは搾取的な構造だ」と正しく反応しているに過ぎない。
こうした「権威が相手を追い詰めて服従させる」型と対極にあるのが、ナラティブ婚活という考え方だ。相手の弱さや失敗を暴くのではなく、その人固有の物語に耳を傾けるところから始める。
私自身の経験―メディアとどう向き合ってきたか
筆者もこれまで、テレビや雑誌などのメディアに取り上げていただく機会が何度かあった。そのたびに、真面目に、丁寧に対応してきたつもりだ。
取材が入るとき、必ず最初に伝えていたことがある。
「会員さんに不利益があった場合は、取材を中止します。させます。」
これだけは、どんな場面でも譲らなかった。婚活者を面白おかしく描くための「素材」として扱われることを、絶対に許さないという意思だった。
実際、ドキュメンタリーの取材が来たが、取材内容を聞くとどう観ても「見せ物感」があった為、立ち消えにしたことがある。取材を受けていたら。今ではテレビに引っ張りたこになったかもしれない。けど、会員さんを面白おかしくさせることは、「婚活者への冒涜」だやってはいけない事だ
私自身、これまでの人生で、バカにされたり見下されたりしてきた経験がある人間だ。だからこそ、ああいう番組や動画を観ると、単なる不快感を超えて、怒りに近い感情が湧いてくる。
まとめ―婚活は見世物ではない
婚活バラエティやドキュメンタリーの「型」には、シャーデンフロイデ、服従誘導、脱個人化、学習性無力感という心理的なメカニズムが潜んでいる。それを知らずに繰り返し観ていると、「婚活=惨めなもの」という感覚が知らぬ間に刷り込まれてしまう危険がある。
もし婚活系コンテンツを観て気分が悪くなるなら、それは正常な反応だ。無理に観る必要はない。
笑いたい奴は笑えばいい、
見知らぬ土地を開拓する開拓者は、汗だくになり、泥まみれになり、外見から観たら醜いだろう、
婚活もそうだ、頑張って活動している人は、苦労を知らない奴らはあざ笑うだろう、自分を開拓したひとは必ず栄光があると私は信じて会員さんに接している
婚活は、誰かに追い詰められて服従するプロセスでも、他人の笑いものになる見世物でもない。一人ひとりの、かけがえのない人生の物語だ。
それでも、
まじめに婚活している人をあなたは笑えますか?
