婚活の「37%ルール」が当てはまらない5つの理由|結婚相談所が現場から解説

公開日:【2026年9月30日】 最終更新日:【2026年9月30日】
執筆者:横井むつとも(ミューコネクト株式会社 代表取締役・結婚相談所歴15年以上)
この記事の結論
- 37%ルールは、数学の「最適停止問題(秘書問題)」から生まれた考え方で、最初の約37%を見送り、その後に現れる「それまでで一番良い人」を選ぶ戦略です。
- 最良の相手を選べる確率も約37%で、必勝法ではありません。
- 結婚相談所の現実では、「相手にも選ぶ権利がある」「見送った人は戻らない」など、前提が大きく異なるため、そのままは当てはまりません。
- 使うなら、基準づくりの期間と決断のタイミングを考える目安として使うのが現実的です。
37%ルールとは
37%ルールとは、候補者の最初の約37%をあえて見送って基準を作り、その後に現れた「それまでで一番良い人」を選ぶ戦略のことです。 数学の「最適停止問題(秘書問題)」の解として知られています。
2026年9月16日放送のフジテレビ「ホンマでっか!?TV」(令和の結婚事情)でも、理想の相手選びの話題として取り上げられました。
人数別の見送りの目安
| 想定する候補の人数 | 見送る人数の目安 |
|---|---|
| 10人 | 3〜4人 |
| 20人 | 約7人(約35%) |
| 50人 | 約18人(約36%) |
| 100人 | 37人 |
候補の人数が増えるほど、見送る割合は37%に近づきます。この戦略で最良の相手を選べる確率も約37%です。
数学のモデルと、結婚相談所の現実の違い
| 秘書問題の前提 | 結婚相談所の現実 |
|---|---|
| 選んだ相手は必ず受け入れる | お見合い・仮交際・真剣交際のどの段階でも断られることがある |
| 全員に、はっきりした順位が付く | 年収・価値観・相性など比べる軸が違い、基準自体も活動中に変わる |
| 一人ずつ会い、その場で決める | 段階を踏み、複数の方と並行して進める |
| 期限も費用もない | 活動期間・年齢・費用がある |
| 見送った人は選べない | 交際を終了した方との復縁は、筆者の経験ではほぼない |
37%ルールが当てはまらない5つの理由
1. 相手にも選ぶ権利があるから
秘書問題では選んだ相手は必ず受けてくれますが、結婚相談所では断られることがあります。 お見合いの段階でも、仮交際の段階でも、真剣交際の段階でも起こります。
お申し込みの多くは、写真の印象から入ります。そのため、写真の段階で選ばれにくい方は、申し込んでもお受けいただけず、お見合い自体が組めないことがあります。
そこで筆者がまず取り組むのは、写真とプロフィールの精度を上げることです。写真を加工したり、事実と違うことを書いたりする意味ではありません。プロフィールを「印象で書く文章」ではなく、反応を見て改善していくデータとして扱うということです。
【実例(当社の会員さんの場合)】
ある会員さんは、月に1件しかお申し込みがありませんでした。写真とプロフィールを見直したところ、変更後の最初の月は30件、翌月も15件に増え、2か月以内に交際が始まりました。 すべての方に同じ結果が出るわけではありませんが、選ばれる段階の見直しだけで状況が変わる例です。
2. 「一番良い人」が一列に並ばないから
秘書問題では全員に順位が付きますが、実際の婚活では比べる軸が人によって違います。 年収が高い人、話が合う人、一緒にいて落ち着く人は、同じ物差しでは測れません。しかも活動を続けるうちに、自分の基準そのものが変わっていきます。
筆者は、条件を付箋に書いてランキングのように並べ、気持ちが変わったら入れ替える方法をお伝えしています。活動していると、申し込む相手や出会える相手を通じて、自分の市場価値も見えてきます。筆者がよく言う「妥当と妥協」の見極めです。
【実例】30代半ばの女性が、最初に聞いた理想のタイプとは違う方とご成婚されました。理由は「なんか話が合いそう」「一緒にいて疲れない」でした。
3. 一人ずつ会って決めるわけではないから
結婚相談所では、複数の方と並行して段階的に進めるのが一般的です。 お見合い、仮交際、真剣交際と進み、「一人ずつ会って、その場で決める」という構造ではありません。
さらに、一度交際を終了した方との復縁は、筆者が業界に入ってからの15年間、経験した限りでは一件もありません。
4. 探し続けるにも時間と費用がかかるから
数学の問題には期限も費用もありませんが、婚活には活動期間・年齢・費用があります。 月会費制の相談所では、活動が長引くほど費用がかかり続けます。「もっといい人がいるかも」と探し続けること自体が、コストになります。期間を区切ることが大切です。
5. 見送った人は戻ってこないから
数学の問題でも、相談所の現実でも、見送った人は選べません。 相談所では、SNSのタイムラインのように次々と流れていきます。そのため、「基準づくりのつもりで見送った最初の数人の中に、理想の方がいた」という状況は、実際に起こり得ます。
何を基準に決めればいいのか
37%ルールは、そのまま使うのではなく、考え方のヒントとして借りるのが現実的です。
- 最初は「基準を知る期間」と割り切る。 人数ではなく期間で区切ります。ミューコネクトでは、お見合いの期間を3か月と仮定しています。この間にどれだけ出会えるかが勝負で、最初はご希望と違う方との出会いが多くなりがちなため、写真とプロフィールの精度が鍵になります。
- 基準ができたら、迷い続けない。 「もっと良い人がいるかも」と探し続ける考え方は、ギャンブルに近いものです。婚活はギャンブルではありません。
- 決断の目安は、条件より「一緒に生活するイメージ」に置く。 条件は比べられても、暮らしの相性は比べにくいものです。ご成婚された方に共通していたのは、条件を並べる人よりも、どんな結婚生活を送るかを想像していた人でした。高望みをするほど、婚活は長期化します。
現場から見た、数字と感情のバランス
婚活は、数字だけでは勝負にならないことがあります。数学では、条件設定の定義が少し狂うだけで、数字が化けるからです。成婚率もそうです。しかも、人の感情や気分は、まだ数値化できません。数学では「なんとなく」は通用しませんが、感情の世界では通用します。数値化しようとするほど人の心から離れていきますし、かといって、感情だけで知りすぎてもうまくいきません。ご成婚された方は、このバランスをうまくつかみ、自分に合う人を探し出した方たちです。
条件だけで結婚する場合、相手もあなたを条件で見ています。筆者は、そのような婚活はご提案していません。あなたの人生と向き合い、「この人なら一緒に生きていける」と思える方に出会うお手伝いをするのが、ミューコネクトの仕事だと考えています。
よくある質問
Q. 37%ルールとは何ですか?
A. 最初の約37%の候補をあえて見送って基準を作り、その後に現れた「それまでで一番良い人」を選ぶ戦略です。数学の最適停止問題(秘書問題)から生まれました。
Q. 37%ルールは婚活で本当に有効ですか?
A. 数学的には、条件がそろった状況での最善策です。ただし、相手にも選ぶ権利があるなど、婚活には当てはまらない前提が多いため、決断のタイミングを考える目安として使うのがおすすめです。
Q. 何人と会えばいいですか?
A. 決まった人数はありません。期間で区切る方法もあります。ミューコネクトでは、お見合い期間を3か月と仮定しています。
Q. 「成功率37%」は、結婚相談所の成婚率のことですか?
A. 違います。「最良の相手を選べる理論上の確率」であり、成婚率とは無関係です。なお当社での「成婚」は、交際中のお互いが将来の結婚を承諾した状態を指します。
Q. 写真とプロフィールを変えるだけで、本当に変わりますか?
A. 会員さんの状況によります。当社では、月1件だった申し込みが変更後に30件、翌月15件になった例があります。すべての方に同じ結果が出るとは限りません。
執筆者について
横井むつとも(ミューコネクト株式会社 代表取締役)
岐阜県大垣市を拠点に、東京・大阪・名古屋でも結婚相談室を運営。2011年に日本初のオタク特化型結婚相談所を開業。結婚相談所歴15年以上、これまでに1,200組以上のご成婚を見てきました。著書3冊。
参考文献
- ニッセイ基礎研究所「ベスト・ベターな秘書をどうやって選んだらよいのか」(中村亮一、2016年6月20日)
- Plus Magazine(plus.maths.org)「Strategic dating: The 37% rule」
